ジュラシック・パーク_マイクル・クライトン -ジュラシック・ワールド原作のレビュー-

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2009/08/26(2015/08/20改訂・補足)

よくある恐竜物は世界のどこかに既に恐竜がいて、いきなり出てきたりするのですが、これは違いました。

恐竜は作られていたのです。【ジュラシック・パーク】とは何と的確なタイトルかと思いました。

 

当時、バイオテクノロジーという言葉はよく飛び交っていましたが、何となく分かった気がするだけでした。

しかし、この本に出てくるそれは何ともリアルで小説の世界と分かっていながら、到底出来そうにないことを最新科学の力で次々に現実化してしまいます。

その過程がとても面白く、もしかして現実の世界でも本当に出来るかも知れないというワクワク感がありました。

 

この話にはマイクル・クライトンお得意のコンピュータシステムも多く登場します。

仕事柄、コンピュータを扱う身としては、ここで描かれているコンピュータシステムの世界はとても魅力的です。

が、それだけにそれがふとしたことでしだいに破綻し、最後には・・・という部分もリアルで軽く恐怖を覚えました。

どんなに優れたシステムを作り上げても、人為的なミスで全て水の泡にしてしまうのはお約束の展開です。

 

もうひとつ印象に残ったのは登場人物の数学者の台詞で、随所に出てくる【カオス理論】と呼ばれるものです。

自分は文系なので台詞の半分以上は理解できないのですが(笑)、この小説の中では妙に存在感と説得力があり、ないと寂しい位の位置づけになっています。

 

この「ジュラシック・パーク」は、当時、映画がかなり話題を呼んだ記憶があります。

もちろん、CGを使った映像は既にありましたが、この映画で初めてCGの恐竜を観た時の興奮と感動は今でもはっきりと覚えています。

まあ、今はCGの技術そのものが当時より格段に進歩しているでしょうし、CG映画も珍しくありませんが、当時は本当に衝撃でした。

 

確かに映画の脚本自体はどちらかと言うと子供向けで、原作でここは面白いなと思えた部分は、ほぼばっさりと切られていました。

コンピュータシステムに関することや、恐竜の増殖の仕方なんかがそうです。

しかし、映像だけでも観に行った甲斐があったと思いました。映画を観てから原作を読んだらもっと面白かったでしょうか?

映画だけ観たよという方には、この原作は特にお勧めです。

 

この小説には、私の大好きな【恐竜】【コンピュータ】【ミステリー】の3つの要素ががっつり入っています!

ストレス解消度はです。

 

追記:

現在【ジュラシック・ワールド】が上映されていますが、その原点がこちらです↓

ジュラシック・パーク(上・下)
著    者 : マイクル・クライトン
訳    者 : 酒井 昭伸
発行所  : 早川書房

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